海老で鯛を釣る(えびでたいをつる 表記のゆれ:「海老」に替え「蝦」)
- (高価なタイを安いエビで釣るところから)少量の元手やわずかな労力で大きな利益を得ること。
- 無意識ではあつたが、もし、私が自分の心の中にもつと頭を突つ込んで、蚤取り眼で詮索したならば、「僕は決して君たちを軽蔑しないよ。だから君たちは僕を尊敬しなければならんぢやないか」と云ふ風な商取引きのやうな心理がなかつた、とは云へないのだ。いや、こんな心が、きつと、どこかにあつたのだらう、と私は思ふ。もしあつたとすれば、それはもう、蝦で鯛を釣るやうなものではないか。(葉山嘉樹 『万福追想』)