空腹切る(そらばらきる)
- 切腹の真似をする。
- 刀を抜き持ちて、刀を抜き持ちて、弓手の脇より馬手の脇へ、一文字に切るとぞ見えしが、空腹切つて櫓より、後の谷にぞ転び落つ。――「忠信」『謡曲集』下、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1926年6月、186頁。
- 鶏の空音をはかりて函谷関を出しは孟甞君が智恵、空腹切て城をおちしは忠信がはかりごと、地黄煎を箸に付て銭箱の銀をぬすみしはむすこの才覚、火燵の簀櫃をあげてしのびしは娘のいたづら、女郎を呉服屋の挾箱に入て廓の門を出しは橘市が分別ぞかし。――「好色万金丹 巻之四」『日本名著全集』第9巻、日本名著全集刊行会、1928年4月、42頁。
- 『故事・俗信 ことわざ大辞典』尚学図書編集、小学館、1982年2月、678頁。