日本語 編集

名詞 編集

もんぜき

  1. (元々の意味として)平安時代初期から、祖師・宗門の法統、一門を成り立たせた法灯・教えの大系を嗣いでいる僧侶。転じてその法灯・教えを嗣ぐ寺院。門葉、門流。
    弘法大師(空海)の門跡,慈覚大師(円仁)の門跡など
  2. 平安後期、宇多天皇出家して仁和寺に入室し御室門跡と称して以降、皇族公家子弟などが出家して務める特定の寺院の住職。次第に門跡呼称は慣例化し、江戸時代には制度化した。(入道親王、法親王)
  3. 語義2に由来して、門跡が住職を務める特定の寺院を指すようになり、寺格を表す語となった。(門跡寺院)
  4. 准門跡のことも同じく門跡と称する。
    戦国時代以降、門跡に準ずる格式の寺院として、宗門の法灯を継ぐ僧侶が住職を務める寺院とその法灯を継ぐ僧侶にたいして、准門跡として門跡を名乗る事を許し、浄土宗・浄土真宗などの管長を門跡と呼ぶ。(門主、門首、法主)
  5. (現代語)門跡制度が明治時代に廃止されて以降、語義3、語義4の寺院の、住職・管長、法灯を継ぐ僧侶、その住職を務める寺院が、門跡と自称する。
  6. 本願寺およびその管長。(本願寺が准門跡寺であるから)。

発音(?) 編集

も↘んぜき

語源 編集

語義1にあるとおり、『一門の法灯・宗門大系を確立した祖師(開祖)の教えと宗門を守る正当な後継者』のが原意で(門葉、門流)、弟子を入門させる立場に由来。但し、慣例化したのは、語義2の事例。

関連語 編集