あいだてない
- 分別がない。遠慮がない。合理的でない。
- 神仏の教へも此通り、御慈悲があまりて、色々様々と、ものにたとへ、名によそへ、あんまりあいだてないゆゑ、其教の名に迷ひ、形に迷うて、くるしむ。――中沢道二「道二翁道話六編」『心学道話全集』第6巻、加藤咄堂監修、忠誠堂、1927年12月、229頁。
- いか成悪業悪縁か、胎内に宿つてあの通りと思へば、ふびんさ可愛さは、父親の一倍なれ共、母が可愛い顔しては、へだてた心に、余り母があいだてない。――若月保治「女殺油地獄」『全訳近松浄瑠璃選』藤村作註解、太陽堂、1934年6月、324頁。