さながら【宛ら】
- まるで。あたかも。ちょうど。
- 水郷柳河はさながら水に浮いた灰色の柩である。(北原白秋「水郷柳河」)
さながら【宛ら】
- そのまま。
- 存在して、しかも存在のさながらの姿より隔てられているという嘆き。存在のふるさとに還りたきのぞみ。それがわれわれの「今」であり、「ここ」であり、「自分」の露(あら)わな現(うつ)つである、と彼はいう。(中井正一「絵画の不安」)
- (体言に後続して)そのまま。そっくり。同然。
- 遙かに相對してゐる山々はほんのりと霞みながらもまだ冬さながらの粧ひである。(相馬御風「獨愁」)