しりめ【尻目・後目】
- 頭や顔を動かさずに目だけでものを追うこと。また、その目付き。
- 清は先に立つて出ながら安三を尻目にかけた。(田中貢太郎「白いシヤツの群」)
- 目に止めず無視すること。
- 小山議長は昂然として浅沼に一撃を加え、騒ぐ議場を尻目にして日程変更を宣した。(佐藤垢石「議会見物」)
- 婆さんはシクシクとシャクリあげながら、いつ終るともないグチ話。僕は一段落つくのを待ち、そのとき迄は全然念頭にもなかつたことを急に思ひついて言ひ、婆さんの呆気にとられるのを尻目にサッサと帰つて来たのであつた。(坂口安吾「二十一」)