古典日本語形容詞「ぬくし」(<ぬくぬく?)より
ぬくい【温い】
- 温度が心地よいくらいに高い。あたたかい。ぬくとい。
- 現在は、どちらかと言えば文章語となり、口語としては西日本で頻繁に用いられる(方言化の傾向が強い)。
- こりやあ何だかぬくいではないか(坪内逍遥 『当世書生気質』)
- 暁方近くらしいぬくい朝ぼらけを告ぐるやうな鶏の声が、距離不明の辺から聞えて来た。(岡本かの子 『上田秋成の晩年』)
- 「ぬくいけん何枚も着とらん」 「どら、衿を数えてみてやろ」 男の子は、腥い手で私の衿を数えた。(林芙美子 『風琴と魚の町』)
ぬくい【難い】
- (補助形容詞)するのが難しい。しづらい。