みこみ【見込み】
- 物事の発生や完遂の期待ができること。その度合い。
- 三輪の万七は勝ち誇った心持で入って来ました。夜の明けぬうちに、伴三郎に白状させる見込みが立ったのでしょう。(野村胡堂「銭形平次捕物控 麝香の匂い」)〔1936年〕[1]
- 大学も震災を受けて、当分開講の見込みもなかった。(中谷宇吉郎「鳥井さんのことなど」)〔1954年〕[2]
- 将来の成功の期待ができること。1.の狭義。
- そうだ、ここのように純粋の軍需品会社でもなく、平和になればまた早速に不況になる惧れのあるような会社は見込みがないって言ってたよ(岡本かの子「越年」)〔1939年〕[3]
- 三十代四十代の人間は、少しは見込みがある。(岸田國士「新文化建設の方向」)〔1940年〕[4]
- 推測。推理。
- その後暫く逢いませんが、例のD坂の事件はどうです。警察の方では一向犯人の見込がつかぬようではありませんか(江戸川乱歩「D坂の殺人事件」)〔1925年〕[5]
- 「どうだ、万七、見込みは?」と小間木善十郎。「若い女の首へ縄をつけて、両国橋の欄干からブラ下げるのは、よくよく劫ごうを晒さしたい野郎の仕業でしょう。この娘を口説き廻したのを片っ端から挙げさえすれば、わけはありません」万七はいとも手軽です。(野村胡堂「銭形平次捕物控 欄干の死骸」)〔1937年〕[6]