古典日本語

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形容詞

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をさをさし長し】

  1. 大人びている。
    • その男のもとなりける人を、内記にありける藤原の敏行といふ人よばひけり、されど若ければ、文もをさをさしからず、ことばもいひ知らず、いはむや歌はよまざりければ、かのあるじなる人、案を書きて、書かせてやりけり。(伊勢物語第百七段)
      その男(在原業平であろう)の下にいる侍女に、内記の職にあった藤原敏行と言う人が求愛した、しかし、(侍女は)若かったので、恋文も大人びておらず、言葉も気が利いていなくて、ましてや和歌も詠めないので、その主人である男は、案を書いて、敏行に書き送らせた。
  2. しっかりしている、重々しい
    • 宮仕へも、をさをさしくだにしなしたまへらば、などか悪しからむ(源氏物語
      宮仕えだって、重々しく振舞えるようになれば、どうして悪いことがあるでしょうか。
      宮仕えだって、だんだん地位が上がっていけば悪いことは少しもないのです(与謝野晶子訳)
基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の種類
をさをさし をさをさ (-しく) -しく -し -しき -しけれ シク活用
-しから -しかり -しかる -しかれ

対義語

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