トーク:うまおい

最新のコメント:9 年前 | トピック:「載せ」、か「載せて」、か | 投稿者:ShikiH

「載せ」、か「載せて」、か 編集

言葉の語感は人によって揺れや幅があるものですし、あまりこの程度のことで目くじら立てるのもどうかなとも思うのですが、ShikiHさんは要約欄に

「載せ」、か「載せて」、か。この場合は「載せた後、運ぶ」の意なので、「載せ」は奇妙。諸辞書をご確認ください。

と書いて一部字句を編集しておられます。おそらく「て」のつかない動詞連用形は並列の意味のみに解していらっしゃるのかと思いますが、私に言わせればその語感のほうがいくぶん奇妙に思えます。たとえば デジタル大辞泉大辞林第三版の「て」の項目には、

1 ある動作・作用から、次の動作・作用へと推移・連続する意を表す。「学校に行っ―勉強する」「着替えをすませ―寝る」
① 動作・作用・状態が継続し,または引き続いて起こる意を表す。…てそれから。 「冬がすぎ-,春がくる」 「顔をあげ-じっと見つめる」 「薬を飲んで寝る」

とあるのですが、ここに挙がっている例文から「て」もしくは「で」を取って適宜書き直してみますと

「学校に行き勉強する」「着替えをすませ寝る」「冬がすぎ,春がくる」「顔をあげじっと見つめる」 「薬を飲み寝る」

これらいずれの文においてもある動作から次の動作への推移を表しており、単純な並列の意味に取ることはできません。ShikiHさんが訂正なさる前の語釈文「馬に荷物などを載せ、運ぶこと」についても同様で、これは「馬に荷物などを載せたり、運んだりすること」ではなく「馬に荷物などを載せ、しかる後に運ぶこと」と理解するのがごく自然な解釈なのではないでしょうか。いささか挑発めきますが、どのような辞書を確認すれば「奇妙」といった発想が出てくるのか、ぜひともご教示いただきたいところです。また、たとえ辞書のどこかにそのように理解できる記述があったとしても、その記述に振り回されすぎて、現実に存在している用法を否定するようになっては辞書の使い方として本末転倒かとも思うのですが。--Ryota7906 (トーク) 2014年6月30日 (月) 11:54 (UTC)返信

ShikiHでございます。確かに口調によっては「て」というとうるさい場合も多くて、わたしも連用中止法を用いることがしばしばありますので、私の投稿を見れば反論はいくらもあります。ただし口調の問題がなく、「て」と言ったほうがよければそのようにするのがよいと思います。諸辞書については下に示します。
  1. (日国)荷や客を馬にのせて追って行くこと。
  2. (大辞泉)駄馬に客や荷物をのせて追って行くこと。
  3. (大辞林)馬に人や荷物をのせて運ぶこと。
  4. (新明解)客や荷物を馬を使って運ぶことを職業とした人。
物事の順序通りに記述した場合、連用中止が必ずしも不適切とは言えないと思いますので、これ以降、一律に修正するのは差し控えます。ご指摘ありがとうございます。--ShikiH (トーク) 2014年6月30日 (月) 12:40 (UTC)返信
ご教示を受け辞書をざっと見てみましたところ、辞書にもよりますが、次の動作への推移を表す場合に「て」形を用いている事例が非常に多いことが分かりました。これは辞書業界のある種の慣例として、このように表現し分けることがほぼ定式化されているということなのでしょう。この点、ご指摘を受けるまで知らなかった自身の不明を恥じるところですが、しかしその上でもやはり、この使い分けを徹底することには個人的に少々違和感を覚えます。
この「て」は完了の助動詞「つ」に起源があり、現代語においても「て」形で表される動詞は、その動作が完了しているニュアンスを持つはず、という発想がこの使い分けの背景にあるのだろうと推測しますが、現実には、デジタル大辞泉の「雨が降って風が吹く」や、ネットから拾った例ですが「飲んで打って買っておしまいのその日暮し」など、「て」形でも並列を表すことはありますし、先に示したように中止形でも動作の推移を表すことはあります。また「うどん」の定義のように動詞が3つ以上続く場合は、
「小麦粉に少量の塩を加え、水でこね、薄く延ばして細く切ったものをゆでた食品」(デジタル大辞泉)、
「小麦粉を塩水で練って薄くのばし,細長く切ったものをゆでた食品」(大辞林第三版
と、動作の先後関係が明白でも中止形を混じえて表現していたりもします(これは文体上の問題も当然あるでしょうし、「て」形を用いるかわりに読点を打つことで推移的な意味を出そうと意図されているかとも思いますが)。
結局、文意が並列なのか動作の推移なのかは、動詞が中止形か「て」形かよりも、各動詞の意味内容とそれらの関係性によるところのほうが大きいのではないかと思われますので、明らかに語句の使い方としておかしいという場合でない限り、あまり小うるさく指摘する必要はないのではないかと個人的には考えるのですが。いずれにしましてもご教示によりひとつ勉強になり、また考える種をいただきましたので、その点については感謝いたしたく思っております。--Ryota7906 (トーク) 2014年7月1日 (火) 15:31 (UTC)返信
ShikiHでございます。少し調べ、また考えてもみました。「て」の多用について「辞書業界のある種の慣例」であるとのご指摘はその通りだと感じました。ではそれは何故かというと、語釈の長さに関係があるとひそかに考えます。日常の文では動詞が4つ並んで長くなっても珍しくはないが、その場合すべてに「て」をつけるわけにはいかない。しかし語釈では2つくらいしか並べない物が多いから、その際には、並列でない場合は「て」をつけるべしと意識的に考える人たち、および無意識に感じる人たちもいて、語釈に「て」と言うことになるのではないでしょうか。--ShikiH (トーク) 2014年7月4日 (金) 13:47 (UTC)返信
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