利用者:エリック・キィ/my/植物
< 利用者:エリック・キィ | my
ビルマ語 編集
古めの西洋文献でラテン文字により表記されている植物の呼称を対応するビルマ文字表記に直して調べたものの、すぐには目ぼしい裏付けが得られなかったもの。
က 編集
- ကြက်မောက် (krakmauk) IPA: /t͡ɕɛʔmauʔ/ - Kyetmouk、セイロンオーク (wp)(Schleichera oleosa)。本来の意味は〈鶏冠〉で、そこからの連想で様々な植物の名前を表すようになったものと思われる。ライチやリュウガンの意味は複合語を含めれば裏付けが見つかったが、これら2種と同じムクロジ科でもセイロンオークはなかなか見つからない。『熱帯植物要覧』に見えるもう一つの呼称は Gyo で、ビルマ語版ウィキペディアには ကြို့ပင် という項目が存在するが、ALA-LC翻字法で転写すると krui'paṅʻ。一応前に何も他の要素もないのに有声化する無声音の例は存在するが…(例: ခေါင်း (hkaung:) /ɡáuN/〈頭、切手〉)。
တ 編集
- တောသရက် (tau:sa.rak) IPA: /tɔ́t̪əjɛʔ/ - Taw thayet あるいは Tawthayet、1.「タウチャエト」(…と音訳されてはいるが実際には「トータイェッ」の方が近い。学名: Mangifera caloneura; ウルシ科マンゴー属); 2. リュウガン (wp)(Dimocarpus longan; ムクロジ科)。တော (tau:)〈森〉と သရက် (sa.rak)〈マンゴー〉に分解可能。1.はマンゴーと同じ属、2.は科は異なるが目はウルシ科と同じムクロジ目。リュウガンの方に関してはこれは上ビルマでの呼び名で、下ビルマでは Kayetmauk なるもの(恐らく大元の典拠と思われる Brandis (1921:192) を鑑みるに Kyetmauk ကြက်မောက် (krakmauk) の誤り)。しかしビルマ語版ウィキペディアの項目(2018年6月24日 14:31 版の固定リンク)では本文冒頭に全く異なる呼称 တလိုင်းခေါင်း (ta.luing:hkaung:)(これも大野 (2000) には未掲載)が記されている上に学名はツツジ目アカテツ科の Madhuca longifolia とされている。これを指す語としてはより確実な ကမ်စော် (kamcau)、မယ်ဇယ် (maijai)、မည်စည် (manycany) が存在する。
သ 編集
- သင်္ဘောကြက်ဆူ (sangbhau:krakhcu) IPA: /t̪íNbɔ́ t͡ɕɛʔsʰù/ - Thinbaw-kyetsu、ナンヨウアブラギリ (wp)(Jatropha curcas)。သင်္ဘော (sangbhau:)〈パパイヤ〉と ကြက်ဆူ (krakhcu)〈トウゴマ〉に分解可能。
参考文献 編集
英語:
- Brandis, Dietrich (1921). Indian Trees: An Account of Trees, Shrubs, Woody Climbers, Bamboos, and Palms Indigenous or Commonly Cultivated in the British Indian Empire. London: Constable and Company. p. 192 .
日本語:
- 大野, 徹『ビルマ(ミャンマー)語辞典』大学書林、2000年。 ISBN 4-475-00145-5
- 『熱帯植物要覧』熱帯植物研究会、養賢堂、1996年、第4版。 ISBN 4-924395-03-X