宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)
- 役に立つ物を持っていながら、使用せずに放っておくこと。
- すぐれた才能・手腕があるのに、それを活用しないことの例え。また、生かし切れないでいること。
- ほんとうにいままで自分は愚で、教わった原本にないからとて、どの噺のなかでもいっぺんも歌うことなしにきていました。これはとんでもない宝の持ち腐れ。さっそく、それからは「天災」でも「千早振る」でも「小言幸兵衛」でも「替り目」でも、なかの八さんに、熊さんに酔っ払いに、ときとして大家さんに、隠居さんに、急所急所で常磐津のひとくさり、端唄のひとくさりを唸らせることにしました。(正岡容 『初看板』)