所 為
- (しょい)
- なすところ、しわざ、おこない、所作、所業。
- その見当らない事が度重なるに従って、内供の心は次第にまた不快になった。内供が人と話しながら、思わずぶらりと下っている鼻の先をつまんで見て、年甲斐もなく顔を赤らめたのは、全くこの不快に動かされての所為である。(芥川龍之介 『鼻』)
- (法律)意思を表示すること、作意及び不作為の総称。行為。
- (せい ;現在では通常仮名書きされる)
- 原因、多くの場合、良くない結果の原因。
- 画は一輪花瓶に挿した東菊で、図柄としては極めて単簡な者である。傍に「是は萎み掛けた所と思い玉え。下手いのは病気の所為だと思い玉え。嘘だと思わば肱を突いて描いて見玉え」という註釈が加えてあるところをもって見ると、自分でもそう旨いとは考えていなかったのだろう。(夏目漱石 『子規の画』)
- 良くないことが起こったことの責任の所在。
- いろいろ焦り、自分の書けないことが、まるで姉たちの所為でもあるかのように毎日当りちらし、ヒステリーのように泣いてばかりいるのだった。(宮本百合子 『見落されている急所』)
語義2-1