総領の甚六
- 総領息子(跡継ぎ、一般には長男)は、将来の不安がないので、弟や妹より凡庸に育ってしまうということ。
- 曹丕は親の目から見ても、篤厚にして恭謙、多少、俗にいう総領の甚六的なところもあるが、まず輔弼の任に良臣さえ得れば、曹家の将来は隆々たるものがあろうと、重臣たちにもその旨は遺言されてあった。(吉川英治『三国志 出師の巻』)
- 「総領」は跡継ぎ息子、「甚六」は「甚だしいろくでなし」の略、この語から「長男・跡取り」の意を生じた。一説に「順祿(じゅんろく:順序良く相続される)」の転訛とも(大言海)。
- 上方いろはがるた、尾張いろはがるた:袖の振り合わせも他生の縁
- 幸田露伴『東西伊呂波短歌評釈』
- 東は長子の愚多きを云ひ、(或は曰く自然に禄を伝へ受くるをいふと)西は瑣瑣の因縁も由つて来ること遠きを云へり。明眼論に本づける西の諺おもしろし。