日本語

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名詞

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使 (まちのてんし)

  1. (職業, 古用法) 売春婦。特に街娼
    • 1931年、大下宇陀児「恐怖の歯型」[1]
      さうした種類の街の天使は、ホテルをタクシーのやうに自由自在に乗り廻すし、また、タクシーをホテル同樣に使ふといふ。
    • 1937年、佐藤惣之助「旅窓読本」[2]
      ホテルが半分露天でダンスパアテーをひらいていゐる。日本人と見れば安い街の天使が、ハロウといつて寄つてくる。
    • 1941年、国枝史郎「世界の裏」[3]
      ヘレーネ・レンクという娘があった。名門の出であったが、国内事情がそうなれば、そういう娘ほど悲惨で、とうとう街の天使の身上に堕ちて了った。しかし、この頃には、ベルリンには、そういう街の天使が汎濫していたので、商売は楽でなかった。
  1. 大下宇陀児 著『恐怖の歯型』,博文館,昭和6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1181037 (参照 2023-07-07)
  2. 佐藤惣之助 著『旅窓読本』,学芸社,昭12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1258291 (参照 2023-07-07)
  3. 青空文庫、2010年11月15日作成(底本:「国枝史郎歴史小説傑作選」作品社、2006(平成18)年3月30日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/47255_41494.html