あかん
日本語
編集動詞
編集あかん【明かん】(近畿方言)
- 動詞あくの未然形+打消しの助動詞ん。あかない。
- こうなりゃ仕方がない。何でも寒月君に関する事実は御参考のために陳述するさ、おい苦沙弥君、君が主人だのに、そう、にやにや笑っていては埒があかんじゃないか、実に秘密というものは恐ろしいものだねえ。いくら隠しても、どこからか露見するからな。――夏目漱石 (1905年). “図書カード:吾輩は猫である”. 青空文庫. 2023年6月1日閲覧。
- (形容詞的に)いけない。
- 「いくらおめかしをしてもあかん体や」彼はそうも言った。――徳田秋声 (1920年). “図書カード:蒼白い月”. 青空文庫. 2023年6月1日閲覧。
- ちょうど僕がいる時に○氏が出て来て、支配人に料理はなんでもうまくなければいかんぞ、まずかったらあかんぞとどなっていた。――北大路魯山人 (1935年). “図書カード:伝不習乎”. 青空文庫. 2023年6月3日閲覧。
- (感動詞的に) 駄目。
- 然し、もっとよく考えると、父は、家よりも、大阪がすきなのらしい。「東京はあかん」と、東京へくると、私の家の前へ出て、五分程立ってみて「あかん」と、云って帰ってしまう。何故、あかん、のか、父の観察と、私の哲学とは少し距離がありすぎるし、父の耳が遠いから、聞いた事はない。――直木三十五 (1930年). “図書カード:大阪を歩く”. 青空文庫. 2023年6月1日閲覧。