ん

日本語

• 平仮名：片仮名はン。
• 五十音図：図外か最後
• いろは順：最後か無し
• 字源：无の草体

発音

• IPA(?): /ɴ/（単独、語末）
• IPA: /ɯ̃ ~ ɪ̃ ~ ɤ̃/（ア行、サ行、ハ行、ヤ行、ワ行の前）
• IPA: /ŋ/（カ行、ガ行の前）
• IPA: /n/（チ、ニ、リ、ジを除くタ行、ナ行、ラ行、ザ行、ダ行の前）
• IPA: /ɲ/（チ、ニ、リ、ジの前）
• IPA: /m/（マ行、バ行、パ行の前）

また「ん」に近接する母音が鼻音化する。

助動詞

1. （打ち消しの助動詞「ぬ」の撥音形）～でない。（中部地方から沖縄県にかけての方言で常用される。共通語においては、方言的あるいは古風、老成といった印象を与えるが、助動詞「ます」に付くときだけは例外的に常用される）
   • そんなことも知らんのか。
   • アメリカに住んだことがありません。
2. （推量の文語助動詞「む」の撥音形）～う、～だろう、～しよう。（現在は文語、または文語的な文章、特別な言い回し以外では使わない）
   • いざ行かん。
3. （三河弁）命令を表す。〜しなさい。関連語:りん

   五段・上一段・下一段活用動詞の連用形、サ行変格活用動詞の連用形・未然形、カ行変格活用動詞の連用形に接続する。 語頭に「お」をつけることもある。

   • 行きん（お行きん）。見ん。食べん（お食べん）。しん/せん。きん。

名詞

1. 形式名詞「の」の転訛。口語で用言を受け、だ、ですの前で使われる。
   • この帽子、どいつんだ？　おらんだ。
   • やると言ったらやるんだよ。
   • 訪問したんですけど誰も出ないんです。
   • そうなんです。
   • あらかじめ電話で確認しとくんだった。

   方言ではさらに広く用いられる。

   • どこ行くん？　用事でもあるんか。
   • おまえがやったんちゃうんかい。

助詞

1. 「の」の転訛。くだけた口語で一部の名詞の前で使われる。
   • わたしんちだ。あがんなさい。
2. 「に」の転訛。くだけた口語で主になるの前で使われる。
   • 電気代がバカんなんない。

接頭辞 

1. 正確な数字をふせるときに用いる。数〜。何〜。発音は一般に「うん」となる。
   • ン十万円
   • 三十ン歳

接尾辞

1. 人名などをもじって可愛らしいさや愛らしいさを強調したあだ名を作る。とくに女の子の名前に対して付くことが多い。
   • 光（ひかり） → ひかりん、詩織（しおり） → しおりん、一二三（ひふみ） → ひふみん、佳純（かすみ） → かすみん

リンク

「ん、ン」で始まる日本語

沖縄語

副助詞

1. 日本語の副助詞のも。

文字コード

• Unicode
  • 16進: 3093 ん
  • 10進: 12435 ん