はじめて【始めて、初めて; いずれでもよいが近年は後者が多い】
- 従来発生のなかったことが発生、又は経験のないことを経験して。最初に。
- 郷里の沖縄から、上京したのは大正十一年の秋のことであったがその年の冬に、はじめて、ぼくは雪を見た。(山之口貘『暴風への郷愁』)
- それ以後、私は馬場へ肉親のように馴れて甘えて、生れてはじめて友だちを得たような気さえしていた。(太宰治『ダス・ゲマイネ』)
- 恋をしたのだ。そんなことは、全くはじめてであった。(太宰治『ダス・ゲマイネ』)
- 小田君は上海旅行の途中で、京都は始めてだと言つてゐた(坂口安吾『醍醐の里』)
- この川もまた震災後はじめての大遡上であると、沿岸の漁師が喜んでいるほど鮎が多い。(佐藤垢石『香魚の讃』)
- 「はじめての言語学」(言語学の入門書のタイトル)
- (「してはじめて」の形で)ようやく。やっと。