トーク:ややこしい

最新のコメント:10 年前 | トピック:ややこしい人、とは | 投稿者:Mtodo

ややこしい人、とは

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ShikiHでございます。少し前の版で語釈は「物事がこんがらがって難しい」であるのに例文は「ややこしい人やな」となっていました。「物事がこんがらがって難しい人」は意味不明なので、人を修飾できるように語釈を追加しました。すなわち「事情が複雑で他人には容易に理解しがたい」。しかし日国を見たところ「大阪府「あいつはややこしい男や」」が載っていて語義は「怪しい。うさんくさい」と書かれていました。ちょっと語義に自信が持てないので、このあたりを削除しました。学兄がたの編集を待ちます。また語形ですが東京あたりでは「ややっこしい」が多分優勢です。東京風で規模の小さな新明解がこの語形をあげていることからもそう推測されます。--ShikiH (トーク) 2014年8月15日 (金) 15:52 (UTC)返信

ちょっと考え整理中のため、結論は先延ばしするとして。
まず、語形として「ややこしい」は、この形で関東を含み共通語となっていると考えます。
「いや、だから、北さんに相談してみるというのです。北さんの指図に従っていると間違いないのです。北さんは、まだ兄さんと二階で話をしているようですが、何か、ややこしい事でも起っているんじゃないでしょうか。私たち親子三人、ゆるしも無く、のこのこ乗り込んで、――」(太宰治『故郷』)
東北出身の太宰が、会話中の表記としても用いていることは、この語形が既に戦前には定着していたと考えます。
大阪弁での用法ですが、織田作之助の作品(『大阪の憂鬱』)中に、以下のものを見つけました。
月並みなことを月並みにいえば、たしかに大阪の町は汚ない。ことに闇市場の汚なさといっては、お話にならない。今更言ってみても仕様がないくらい汚ない。わずかに、中之島界隈や御堂筋にありし日の大阪をしのぶ美しさが残っているだけで、あとはどこもかしこも古雑巾のように汚ない。おまけに、ややこしい
「ややこしい」という言葉を説明することほどややこしいものはない。複雑、怪奇、微妙、困難、曖昧、――などと、当てはめようとしてもはまらぬくらい、この言葉はややこしいのだ。
「あの銀行はこの頃ややこしい
「あの二人の仲はややこしい仲や」
「あの道はややこしい
「玉ノ井テややこしいとこやなア」
ややこしい芝居や」
 みんな意味が違うのだ。そしてその意味を他の言葉で説明する事は出来ないのだ。
 しかし敢て説明するならば、すくなくとも私にとって最近の大阪が「ややこしい」のは例えば梅田の闇市場を歩いていても、どこをどう通ればどこへ抜けられるのか、さっぱり見当がつかず、何度行ってもまるで迷宮の中へ放り込まれたような気がするという不安な感じがするという意味である。
大阪弁表現の達人である織田作之助が、これくらい躊躇しているのに、日国も大胆だなあという感想です。ちなみに、相手に対して面と向かって「あんた、ややこしいな(『ややこしやっちゃなぁ』)」と言った場合は、さすがに、「怪しい。うさんくさい」では失礼で、「なかなか、我を曲げない人だな(「ややこ」の原義を留めている例)」位の意味だと思います。--Mtodo (トーク) 2014年8月17日 (日) 07:18 (UTC)返信
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