日本語

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名詞

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(いちばい)

  1. ある数に一をかけること。
    • わが地球は鋼鐵よりも大きな剛性を有してゐることも分つて來た。即ち月や太陽の引力によつてわが地球が受けるひづみの分量は、地球全體が鋼鐵で出來てゐると假定した場合の三分の二しかないのである。言葉をかへていへば地球の平均のしぶとさは鋼鐵の一倍半である。(今村明恒「地震の話」 1930年)
  2. (文語的)ある数をすること。ある数の2倍。
    • 「人一倍」は, 既に江戸後期,19世紀初めの滑稽本『浮世風呂』に登場していたことばだが,その当時は,「一倍」という表現が,現在の2倍(×2)に相当していたという。ほかに「半倍」という言い方もあり,これは0.5倍(×0.5)ではなく1.5倍(×1.5)を意味していた。(田中伊式「倍返し」 『放送研究と調音』2013年12月号)
  3. (語義2より、副詞的用法として)さらに一層
    • 人一倍
    • 人に交り候へば、珍説、新聞を得候益有之候へ共、又煩しき事も一倍に御座候(「殿村篠斎宛馬琴書簡」 1827年)

関連語

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