六十律

日本語

語源

1オクターブの中にある60個の音の総称であることから。

名詞

六十律 (ろくじゅうりつ)

1. (音楽) 三分損益法（さんぶんそんえきほう）を59回まで繰り返し適用して得られた、60個の音の総称。十二律の拡張版で、前漢（ぜんかん）時代の人である京房（けいぼう）によって考案された。理論的には53平均律に近い。

六十律一覧表

順位	音名	三分損益法の適用順
1	黄鐘（こうしょう）	1
2	色育（しきいく）	54
3	執始（しゅうし）	13
4	丙盛（へいせい）	25
5	分動（ふんどう）	37
6	質末（しつまつ）	49
7	大呂（たいりょ）	8
8	分否（ふんぴ）	20
9	凌陰（りょういん）	32
10	少出（しょうしゅつ）	44
11	太簇（たいそう）	3
12	未知（みち）	56
13	時息（じそく）	15
14	屈斉（くっせい）	27
15	随期（ずいき）	39
16	形晋（けいしん）	51
17	夾鐘（きょうしょう）	10
18	開時（かいじ）	22
19	族嘉（ぞくか）	34
20	争南（そうなん）	46
21	姑洗（こせん）	5
22	南授（なんじゅ）	58
23	変虞（へんぐ）	17
24	路時（ろじ）	29
25	形始（けいし）	41
26	依行（いこう）	53
27	仲呂（ちゅうりょ）	12
28	南中（なんちゅう）	24
29	内負（ないふ）	36
30	物応（ぶつおう）	48
31	蕤賓（すいひん）	7
32	南事（なんじ）	60
33	盛変（せいへん）	19
34	離宮（りきゅう）	31
35	制時（せいじ）	43
36	林鐘（りんしょう）	2
37	謙待（けんたい）	55
38	去滅（きょめつ）	14
39	安度（あんど）	26
40	帰嘉（きか）	38
41	否与（ひよ）	50
42	夷則（いそく）	9
43	解形（かいけい）	21
44	去南（きょなん）	33
45	分積（ふんせき）	45
46	南呂（なんりょ）	4
47	白呂（はくりょ）	57
48	結躬（けっきゅう）	16
49	帰期（きき）	28
50	未卯（みぼう）	40
51	夷汗（いかん）	52
52	無射（ぶえき）	11
53	閉掩（へいえん）	23
54	鄰斉（りんせい）	35
55	期保（きほ）	47
56	応鐘（おうしょう）	6
57	分烏（ふんう）	59
58	遅内（ちない）	18
59	未育（みいく）	30
60	遅時（ちじ）	42

注意

• 太字は十二律に含まれる音である。
• 十二律に含まれない音名の読みは、すべて暫定的なものである。これらの音名の日本語読みを示している強固な文献は存在しないため、正確な読み方は不明であるが、便宜上もっともらしそうな読み方を記した。
• 色育、謙待、未知、白呂、南授、分烏、南事の七音は、それぞれ直前の音である黄鐘、林鐘、太簇、南呂、姑洗、応鐘、蕤賓よりもわずかに（厳密には「メルカトルのコンマ」すなわち約3.6150セント（≈ 1/332 オクターヴ）だけ）高い。表中の他の音程と比べると、それらの音程だけが極端に狭い。

関連語

• 十二律
• 三百六十律：六十律のさらなる拡張版。
• 三分損益法