日本語

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語源

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1オクターブの中にある12個の音の総称であることから。

名詞

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(じゅうにりつ) ※古くは「じゅうじりつ」「しゅうじりつ」とも。

  1. (音楽) 三分損益法さんぶんそんえきほうを用いて得られた、12種類の音名。中国や日本、朝鮮の伝統音楽で用いられる。また、旧暦暦月十二支にも配当される。
  2. 「十二律管」の略。語義1の各音に割り当てられた調律用の笛で、細長い管のような形状のもの。
十二律一覧表
十二律(中国) 十二律(日本) 旧暦の暦月 十二支 洋楽での近似音高
黄鐘こうしょう 壱越いちこつ 十一月 D
大呂たいりょ 断金たんぎん 十二月 うし D♯、E♭
太簇たいそう[1] 平調ひょうじょう 一月 とら E
夾鐘きょうしょう 勝絶しょうせつ 二月 F
姑洗こせん 下無しもむ 三月 たつ F♯、G♭
仲呂ちゅうりょ 双調そうじょう 四月 G
蕤賓すいひん 鳧鐘ふしょう 五月 うま G♯、A♭
林鐘りんしょう 黄鐘おうしき 六月 ひつじ A
夷則いそく 鸞鏡らんけい 七月 さる A♯、B♭
南呂なんりょ 盤渉ばんしき 八月 とり B
無射ぶえき 神仙しんせん 九月 いぬ C
応鐘おうしょう 上無かみむ 十月 C♯、D♭

注意

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  • 漢字表記や読み、洋楽における近似音高は、文献によって相違がある。
  • 現代の朝鮮における伝統音楽では、中国の十二律と同じ名称を用いるが、黄鐘こうしょうはD♯(E♭)にほぼ相当する。
  • 中国および日本における十二律の関係については、黄鐘こうしょう壱越いちこつとする説と黄鐘こうしょう黄鐘おうしきとする説があるが、ここでは前者の説を採用する。

関連語

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  • 三分損益法
  • 六十律三百六十律:どちらも十二律の拡張版であるが、音の名称が多すぎ、また隣り合う音の間隔が狭すぎるため、実際の楽曲には用いられなかった。

翻訳

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脚注

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  1. 『日本大百科全書』では「たいそく」