奇貨(きか)
- 珍しい宝物、掘り出し物。
- (「奇貨として」の用法で)滅多にない機会。特に、一見、不利ないし無意味な機会であるが、使いようによっては、利益をもたらすもの。
- 日本人は京都から東京までの間の旅行でも、昔は箱根の山を越さなければならぬ、中仙道を行くと碓氷峠を越さなければならぬ。尤もさういふ不便を奇貨として發展した江州商人といふものがありまして、京都と東京の間を歩行して金を儲けて居りましたが、もう二つも箱根があつてくれたら、もつと儲かるといふやうなことを言つたといふことであります。(内藤湖南『近代支那の文化生活』)