年貢の納め時 (ねんぐのおさめどき)
- 悪事をし続けた者が遂に捕らえられて罪に服すべき時。
- 阿能十は、初めから、さっぱりしていた。もう年貢の納め時と――中野お犬小屋荒しの遠い事から今日までのこと、何でも、あッさりと記憶を述べた。(吉川英治 『大岡越前』)
- 物事に見切りをつけるべき時。
- 兄貴、いろいろとお世話になったが、江戸へ出て一旗揚げるつもりだ。がんりきもここらが年貢の納め時だから、小商売の一つも始め、飯盛上あがりの女でも連合にして、これからは温和しく暮して行きてえものだと思わねえこともねえが、天道様がそうは卸してくれめえから、とてものことにまた逆戻りで、畳の上の往生は覚束ねえだろう。(中里介山 『大菩薩峠 女子と小人の巻』)