彫 心 鏤 骨 (ちょうしんるこつ, ちょうしんろうこつ)
- 詩や小説を書く際、文章を洗練させるため、全身の骨や心にまで浸透するほどの苦労をすること。
- 一茶の作品は極めて無造作に投げ出したようであるが、その底に潜んでいる苦労は恐らく作家でなければ味読することが出来まい(勿論、芭蕉ほど彫心鏤骨ではないが)。 (種田山頭火 『片隅の幸福』)
- 「彫」も「鏤」も「刻み込む(刻・銘)」という意味を有する漢字。
- 現代中国語には、本成句は一般的ではなく、成句「銘心鏤骨(铭心镂骨)」は残るが、意味は「深く記憶に留める」というものである。
- 柳宗元『謝除柳州刺史表』「銘心鏤骨,無報上天。」
- なお、「文章を洗練させる」という意味の成句には「雕心刻腎(雕心刻肾)」があり、「雕」は「彫」であり、伝来時に何らかの混同が生じたものか。