日本語 編集

名詞 編集

へんじへんし

  1. わずか時間片時かたとき
    • これほどまでに自分を引き留めたいのは、ただ当年の可懐味や、一夕の無聊ではない。よくよく行く先が案じられて、亡き後の安心を片時へんじも早く、脈の打つ手に握りたいからであろう。(夏目漱石「虞美人草」)〔1907年〕[1]
    • 彼は思い切って馴染みの質屋へかけ込んで、大小を投げだして銀を借りた。武士の大小であるから片時へんしも離すことはできない。今夜じゅうにはきっと請け出すと番頭を口説いて、彼は二両二歩を借り出した。(岡本綺堂「両国の秋」)〔1916年〕[2]

和語の漢字表記 編集

(かたとき)

  1. かたとき」を参照。

古典日本語 編集

名詞 編集

(へんし)

  1. わずか時間片時かたとき

和語の漢字表記 編集

(かたとき)

  1. かたとき」を参照。

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  1. 青空文庫(1999年4月3日公開、2004年1月10日修正)(底本:「夏目漱石全集4」ちくま文庫、筑摩書房、1988年1月26日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/761_14485.html 2019年9月30日参照。
  2. 青空文庫(2000年6月16日公開、2008年10月4日修正)(底本:「江戸情話集」光文社時代小説文庫、光文社、1993年12月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/478_33090.html 2019年9月30日参照。