瓶子(へいじ、へいし)
- (古用)酒を入れる容器。後代の徳利。
- 新大納言気色変はりてさつと立たれけるが御前に候ひける瓶子を狩衣の袖に懸けて引き倒されたりけるを法皇叡覧ありて「あれはいかに」と仰せければ大納言立ち返りて「へいじ倒れ候ひぬ」と申されける。(『平家物語』鹿ケ谷)
- 新大納言は顔色が変わって、さっと、お立ちになったが、すぐ前に置かれてあった瓶子を狩衣の袖にかけお倒しになってしまったのを法皇がご覧になって、「どうしたのだ」とおっしゃると、大納言が振り返って、「へいじ(平氏にかける)が倒れたのです」と申し上げなさる。