あこぎ【阿漕】
- 図々しい。あくどい。強欲である。
- 「妬くわけじゃあねえが、あいつは方々の屋敷へいい加減ないか物をかつぎ込んで、あこぎな銭もうけをするという噂で、道具屋仲間でも泥棒のように云われている奴ですからね」(岡本綺堂 『半七捕物帳 吉良の脇指』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
あこぎだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
あこぎだった |
連用形 + た
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否定形 |
あこぎでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
あこぎになる |
連用形 + なる
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言い切り |
あこぎだ |
終止形のみ
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名詞化 |
あこぎなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
あこぎならば |
仮定形 + ば
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様態 |
あこぎそうだ |
語幹 + そうだ
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- 伊勢国の地名阿漕浦(あこぎがうら 現在の津市近辺の海岸)より。伊勢神宮の禁漁域であり、そこで密漁したことに由来するとの説があるが、現在では、「逢ふ事を阿漕の島にひく網のたび重ならば人も知りなむ」(『古今和歌六帖』:「阿漕の島」は引き網にちなむ歌枕)に由来するとの説が通説。