ひとくち
日本語
編集名詞
編集ひとくち【一口】
- 一度に沢山のものを口に入れること。
- 「ほら。」と言って、やせ犬になげてやりました。すると犬は、それが地びたへおちないうちに、ぴょいと上手に口へうけて、ぱくりと一口にのみこんでしまいました。(鈴木三重吉『やどなし犬』)
- 一回で口に入るだけの少しの飲食など。また、それだけの分量。
- 軽い飲食。
- 短く言うこと。短い又はわずかな言葉。一言(cf.一口に/で比較的少数言う≒一言で/に稀言う)。
- 意見が一致すること、異口同音。
- 一つの単位、まとまり。
- その程度の藏書を、われわれが今どこかほかで一口や二口見つけて來ても、ただそれだけで、大學の「人文科」とか「文學科」とかいふものの參考書としては、もちろん不足である。(會津八一『綜合大學の圖書』)
- (「一口乗る」「一口噛む」などの形で)軽く関わること。
- そうは云うものの、おめえ何か旨い為事があるのなら、おれだって一口乗らねえにも限らねえ。(フレデリック・ブウテ 森鴎外訳 『橋の下』)
- ダンナは大望に生きる人だ。ねえ、その望みを打ちあけて下さいな。私にも一口張らせて下さいな。私は全財産を投げだしてダンナにはろうじゃないか。(坂口安吾『吝嗇神の宿 人生オペラ 第二回』)