ひよる【日和る】
- (口語) 日和見した態度を取る。形勢をうかがって容易に態度を変える。特に運動組織から離れる。闘争をためらう。(「日和見」が動詞化したもの。)
- それまでは永田らにむかって演説口調で威勢よく語っていた森が急に声をおとし、打明けるように「じぶんはあのとき、闘いを日和った」といったことに注目した。(金井広秋「死者の軍隊 - 連合赤軍の彼方に(下)」)
- 「リーダー格だった三人が体制側に日和ったわけか」/「全共闘系の学生はノンセクト・ラジカルだったから、日和ったとか転向したという言い方は正しくないね。それでも、昔の仲間たちに背を向けたことは確かだろう」(南英男「邪欲 - 裁き屋稼業」)
- (俗語) ひるむ。びびる。おじけづく。強気な態度をとるのをやめて妥協的になる。(語義1からの派生か? 「ひ弱になる」からの類推か?)
- 会場に来てたの可愛い子ばっかでめっちゃひよった。
- 深夜に急に物音がしたのでひよった。
- 勇気出して誘おうとしたけど直前になってひよった。
- 私は一瞬、(中略)ロスでは人糞を捨てる行為が重罪の可能性も……と日和ったが、明日には高飛びするのだから、と、うんことゴボウを一思いに捨てた。(朝井リョウ「そして誰もゆとらなくなった」)
- それでも、まだ出足が鈍いと脊尾は口を酸っぱくして言う。遠慮がある。もっとギリギリまで、限界まで引っ張ってみろ、と。どうも俺は、今までのひよったバトンパスの癖がなかなか抜けないようだ。(天沢夏月「ヨンケイ!」)
- 結局イガラシに付き合ってもらい、かねてから狙っていたオレンジの看板が気を引くとんかつ屋さんに行ってみた。(中略)イガラシがロースを頼むというので、ひよった私はヒレ定食を頼んでしまった。(渡辺満里奈「甘露なごほうび 2」)