天に向かって唾を吐く
- 清浄なものを汚そうとしても、却って報いを受け、自らに害が及ぶものであるということ。自業自得。
- 目上の人を非難するとその報いを受けるものであるということ。
- これ女、下賤の者が貴き方々に悪態をつくのは、いかに聖賢の世であろうと許されぬ罪、天に向かって唾を吐くようなもの。その方は女の身とはいえ、お咎めから逃れようもない罪ではあるが、月に遊ぶ船旅の終わりに、海女が狂言を吹かせておるわと、聞き流して、放免くださったのだ。有り難く思われよ。(藤野古白作 藤井英男訳『人柱築島由来』)
- あることについて、他人を非難・攻撃すると、同様の理由で非難・攻撃されるものであるとのたとえ。
- 偶然の出来栄など、その物だけで褒めそやすことは、今日、批評家としては不必要だと思ふ。ただ無益な弥次は、天に向つて唾する類であることを知ればよい。(岸田國士 『なんとかせねばならぬ』)
- 『四十二章経』「悪人害賢者、猶仰天而唾、唾不汚天、還汚己身」より。
語義3