てんてこまい【天手古舞(い)・転手古舞】
- (動詞用法はまれ)あることを処理するのに非常に忙しく、ことの善し悪しの判断ややり方の工夫を考える間もなく、その処理のみに追われること、又はその様。
- 老夫婦ふたりきりで子供もなかったようだし、それでも三つの部屋がたまにふさがることもあって、そんなときには老夫婦てんてこまいで、かず枝も台所で手伝いやら邪魔やらしていたようであった。(太宰治 『姥捨』)
- その晩小菊は忙しかった。今行ったかと思うと、すぐ後口がかかり、箱丁もてんてこまいしていたが、三時ごろにやっと切りあげ、帰ってお茶漬を食べて話していると、すぐに五時が鳴り、やがて白々明けて来た。(徳田秋声『縮図』)