膝元去らず(ひざもとさらず)
- 主君の側を片時も離れないこと。また、その人。
- 「尤も慥に請けるとの約束ながら、此の客始めてなれば、あながちなづみて引き抜かるゝとも見えず、酒機嫌に少しの事に氣を持ち、せんしやう一遍に請けらるゝ様子なれば、何卒手を入れ、かの大尽の膝元去らずの、彌七と申す太鼓に、内證からお頼みあらば、十に五つ旦那のお手に入る様に、成るまい者でなし。」――江島其磧、内藤自笑「傾城色三味線京之巻」『近代日本文学大系』第5巻、国民図書、1928年9月、35頁。
- 重衡卿の膝元去らず、平家の一門立てうと伏せうと某が心まかせ。――文耕堂、長谷川千四「須磨都源平躑躅」『近代日本文学大系』第8巻、国民図書、1927年4月、274頁。