どころ
日本語
編集接尾辞
編集- 提供する場所、店。
- そば処。お食事処。甘味処。
- すべき部分。可能な部分。ある行為の対象。
- みどころ。きかせどころ。ふんばりどころ。よりどころ。勝負どころ。
- つかみどころがない。
- 価値観の違いに基づく議論を続けても仕方がありません。落としどころをみつけませんか。
- 目のつけどころがよい。
- 産地。
- 米どころ。
- 人々。面々。数々のもの。
- きれいどころ。有名どころ。一流どころ。
複合語
編集助詞
編集どころ
- (「どころか」や「どころでない」などの形で)ある事態をあげて、そのことのように生易しいことではなく、もっと程度が進んでいる状況だという意を表す。
- 父母の写真どころか、肉親の写真が一枚も無い。(太宰治「小さいアルバム」)
- 電燈料、ガス代、水道料、これらもひどく高くなる。二倍どころでなく上る。(宮本百合子「現実の必要―総選挙に際して―」)
- (「どころでない」などの形で)そのようなことをする余裕はないという意を表す。
- 入口の水たまりは、むろん、厚く凍って歯をみがくどころの騒ぎではない。(辻村伊助「登山の朝」)
- 戦地の兵隊さんには、何も言えない。くたくたに疲れて、小閑を得たとき、蝋燭の灯の下で懸命に書いたのだろう。それを思えば、芸術がどうのこうのと自分の美学を展開するどころでは無い。(太宰治「鴎―ひそひそ聞える。なんだか聞える。」)
- (「どころか」や「どころでない」などの形で)ある事態をあげて、それとはまったく異なるという意を表す。
- 然し彼には人を性格的に把握する能力が欠けてゐたわけではない。欠けてゐるどころか人並以上に眼光が鋭く性格把握の能力が勝れてゐるのは「バイロン論」を読めば分る。(坂口安吾「スタンダアルの文体」)
- 処がほくろは西洋では「くそ」どころではない。大切なものである。(堀口九萬一「東西ほくろ考」)