トーク:膃肭臍
最新のコメント:10 年前 | トピック:動物・オットセイの記事の名前空間は「おっとせい」が適当 | 投稿者:Mtodo
動物・オットセイの記事の名前空間は「おっとせい」が適当
編集- 本項は「おっとせい」の名で立項された後、生物名に関するローカルルールに則って「膃肭臍」に変更された経緯を持つようですが、この変更の論拠は、「膃肭臍」がこの動物を指す唯一の漢字表記である、と思われている点にあると思います。しかし、実際には唯一ではありません。「膃肭臍」と「膃肭獸」と「膃肭」が存在しており、動物名としては「膃肭獸」が優勢で、少なくとも明治前期以降の当局が定める正式名称として用いられたのは、「膃肭獸」でした。私は、国際条約に用いられる正式名称があるこの時代においては、正式名称であり最も使用頻度の高い「膃肭獸」、公文書にも用いられることが多い「膃肭臍」、公文書に用いられたか確かめられず、使用頻度も多いとは思えない「膃肭」、という順位付けが成り立つように思い、そのことを重視します。このようなことから、かかる動物の記事の見出しは次のようであるべきというのが、私の考えです。
- おっとせい(膃肭獣、膃肭臍、膃肭)
- あるいは
- おっとせい(膃肭獣、膃肭臍、膃肭)
- 「膃肭臍」の方は───
- この動物に関する日本人の知識は、1610年(慶長15年)、中医学の生薬「膃肭臍(おっとせい)」を徳川家康が中国から取り寄せた時期に初めて形成されました。家康自ら「陰茎を膃肭臍と云う」と説明しているだけに、動物名は「膃肭」だということも把握していたでしょう。当初は正しく「膃肭臍とは、膃肭と呼ばれる海獣の体を元にして作られた生薬の名称」と理解されていたと思われますが、長く広く利用されてゆくうちに、この生薬の元となる動物の名も「オットセイ」なのだという誤解が広まっていったようです。因みに、明治時代の政府要人達に到っては、何故か「オットセイ」を英語由来の語と勘違いしていて、国際保護条約の締結を目指す会議の場で、亜米利加人らに通じないことを自分達の発音が悪いためだと思い込んで四苦八苦します(笑)。
- しかしそれでも、生薬名と動物名の書き分けだけは当時すでに存在し、「膃肭獸」という熟字を動物名の方に当てていました。もっとも、この字は中国や朝鮮でも使われており、生薬の輸入元である中国での生薬名と動物名の“使い分け”を導入したと見るのが自然でしょう(※“導入”したのかどうかは、出典が無いので本文には書けませんが…)。ただ、そのまま借用したのではなく、日本語では、生薬名「膃肭臍」と動物名「膃肭獸」を書き分けながらも共に読みは「おっとせい」という、可笑しなことになっていました。なお、「膃肭獸」は1912年に保護条約の名称から剥がされます(※下記資料参照)。使われない語になっていったのでしょう。
- 以下は主要な資料です。
- 膃肭獣保護条約(おっとせいほごじょうやく)(猟虎及膃肭獣保護国際条約) :1911年(明治44年)発効 (cf. [1])。
- 臘虎膃肭獣猟獲取締法(らっこおっとせいりょうかくとりしまりほう) :1912年(明治45年)発効 (cf. [2])。
- 北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約 (Interim Convention on Conservation of North Pacific Fur Seals [3]) :1957年(昭和32年)発効。
- 近代デジタルライブラリー - 「膃肭」検索結果 [4]
- ───--Cyclops (トーク) 2014年1月25日 (土) 22:25 (UTC)
- コメント「キリン」と同様の例外事象というべきでしょうね(今後出現の可能性としては、ホウレン草あたりか、まあこれはこれで、現状の菠薐草が主見出しなのは違和感があることには異論はなかろうが、しかし、ホウレンソウでは、日常の言語感覚から離れる気はするし難しい)。ただ、それが、例外かどうかという問題は、当該議論の中にある、「感覚を重視すると個人差や曖昧さがあり、時代による変化もあるでしょうし、明瞭な線引きができません。」の問題に突き当たるわけで、ここは、ルールの整理又は見直しを要するところと考えます。
- ただ、「おっとせい」は漢語の読みであり、和語(大和言葉)ではないことを考慮すると、「おっとせい」を見出し語とすることは適当でないと考えます。「キリン」と同様の取り扱いで、「オットセイ」を主見出しとするのが適当と考えます。--Mtodo (トーク) 2014年1月26日 (日) 04:00 (UTC)