閉ざさぬ御代(とざさぬみよ)
- 関所を閉ざしたり、戸締まりをしたりしなくても安心して生活できるような平和な治世。
- されば聖人一人世に出づれば、万民心素直になりて、いと静謐なれば、遠国波濤も穏かにして頼みあり。民の竈も賑しく、運ぶ貢の道直に、関の閉さぬ御代となりにけり。――「鶴のさうし」『御伽草紙』藤井紫影校訂、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1926年9月、628頁。
- 野間関趾 国道に近き旧道の肥後堺にあり、旧藩時代北薩唯一の要関にして曾て高山彦九郎関守に拒まれて「薩摩人いかにやいかに刈萱の関もとさゝぬ御代と知らずや」と歌ひ、頼山陽をして「暗行至関下、関吏肆呵嗔」と詠ぜしめし所なり。――『地方発達と其人物』成田成寿訳、郷土研究会、1938年10月、100頁。
- 『故事・俗信 ことわざ大辞典』尚学図書編集、小学館、1982年2月、815頁。