- 江戸期に、「当然」を「当前」と書き誤り、さらにそれを訓読したことが始まりとされる。
- (東京式) あたりまえ [àtárímáé] (平板型 – [0])
- IPA(?): [a̠ta̠ɾʲima̠e̞]
- (京阪式) あたりまえ
あたりまえ【当前、当(た)り前】
- そうであるべきこと。誰が考えても、もっともであること。
- 特段変わっていないこと。ごく普通であること。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | あたりまえだろう | 未然形 + う |
過去・完了 | あたりまえだった | 連用形 + た |
否定形 | あたりまえでない | 連用形 + ない |
自動詞化 | あたりまえになる | 連用形 + なる |
言い切り | あたりまえだ | 終止形のみ |
名詞化 | あたりまえなこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | あたりまえならば | 仮定形 + ば |
様態 | あたりまえそうだ | 語幹 + そうだ |
- 名詞的用法で「の」以外の助詞がつくことは少ないが、以下のような用法もみられる。
- 「ぼく、べつに何も考えていないんです。あたりまえにしていれば、いいんでしょう。」/「あたりまえ? うむ。あたりまえであれば、むろんそれでいいさ。そのあたりまえが、友愛塾の精神にてらしてあたりまえであればね。」(下村湖人『次郎物語 第五部』)