の

の 教科書体

書き順

日本語

• 平仮名
• 五十音図: な行 お段
• いろは順: 26番目
• 字源: 乃の草体
• 片仮名:ノ
• ローマ字:no

発音

• IPA: /no/

名詞：野

1. 広くて平らな自然の大地。のはら。
2. 田畑。のら。
3. 民間。

名詞：幅・布

1. 一幅分の布。

名詞：篦

1. 矢と竹の間の部分。矢柄。
2. やだけ。

名詞:形式名詞

1. もの。
   • うまいのが食べたい。

   名詞・代名詞に接続するときは「*〜のの」「*〜なの」ではなく「〜の」とする（#接尾辞の項参照）。

2. こと。
   • うるさく騒ぐのはやめて。
   • そんなのはあたりまえだ。
3. 人や動物など。
   • 執筆したのは大学の教授だ。
   • あんなのは友達じゃない。（ややぞんざい）
4. ときや場所、状況など。
   • 留学したのは20年前だ。
5. 事物について、同じ言葉の繰り返しを避けるために代名詞的に用いる。
   • 日本の大学の中で、もっとも有名なのは東京大学だろう。
6. 理由・根拠を強調する。口語ではんも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
   • あなたが言っていたのです。
   • これは失敗なのだ。
   1. 口語の疑問文では多用される。
      • どこへ行くのですか。
      • 私が行けばいいのか。
7. すべきであることや指示・命令を表す。口語ではんも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
   • もっと早く走るのだ。でないと遅れるぞ。
   • あんなことをするのではなかった。
8. （主に用言につけて）列挙する。だの。
   • 狭いの暗いのって文句ばかりつける。
   • 言ったの言わないのと揉めていた。

類義語

• ん

関連語

• のだ

助詞

格助詞

1. 所有、属性などで、後にくる言葉を限定する。
   • 私のノート。
   • 総理の近況。
   • 山田の構成、吉田の司会でお送りします。
   • 君の出番だ。
   • 秋の空。
   • 花の都。
   • 独自の主張。
   • 第一の利点。
   • 正規の代理店。
   • （古風）一般に言われている如く、抒情詩は主観的の詩に属し、叙事詩は客観的の詩に属する。（萩原朔太郎「詩の原理」）
2. 具体的な名詞の属性や状態を示す修飾節の中で、がに代わって主語や、一部の構文では目的語を示す。
   • 紅葉の散る頃。
   • 私の知っている人。
   • 絵のうまい人。
   • ケーキの切れない非行少年たち。
3. （九州方言）主語や、一部の構文では目的語を示す。
   • 天気の悪かけん客の少なか。
   • 酒の飲みたか。

     古語の下記6.の用法で、用言が体言を修飾する場合に用言の主語が「の」で表示されると捉えられたことから派生した用法。

4. 助詞について体言を修飾する機能を担う。
   • 私からのプレゼント。
   • 学校でのできごと。
   • 二人だけの秘密。
   • 生きるか死ぬかの瀬戸際。
   • 経営についての提言。

     が、を、に、までにに付くことはできず、「が」「を」では「の」、「に」では「の」「への」「での」、「までに」では「までの」などで代用する。

   • 総理の演説。
   • 花の購入。
   • 「田日」とあるのは「日田」の誤植だ。（=「日田」を誤植したもの）
5. 上の語と下の語が同格であることを表す。
   • 部長の山田さん。
   • 妹の薫さんが来てたよ。
   • 佐藤、鈴木、高橋の三人でやることにします。
   • おばさんの運転手がおじいさんの患者を乗せて行った。
   • 五月五日のこどもの日
   • ふるまい酒のお屠蘇もご用意しました。
   • 押しの一手。
   1. 悪態をつくときに用いられる表現。
      • お兄ちゃんのバカ。
      • 部長のわからず屋が。
6. 上の語が下の語によってさらに修飾を受ける。
   • 酒のあついのが飲みたい。
   • 警察官の背の高いのに呼び止められた。
   • （古語）高欄のもとに、青き瓶（かめ）の大きなるを据ゑて、桜のいみじうおもしろき枝の五尺ばかりなるを、いと多くさしたれば、高欄の外（と）まで咲きこぼれたる昼つ方、大納言殿、桜の直衣（なほし）の少しなよらかなるに、濃き紫の固紋（かたもん）の指貫（さしぬき）、白き御衣（おんぞ）ども、上に濃き綾のいとあざやかなるを出だして参り給へるに、（清少納言 『枕草子』）
7. 上の語の部分であることを表す。
   • 全体の一部に過ぎない。
   • 幹の中ほど
   • 日本人の三割が高齢者だ。
   • 一日の半分は寝ている。
8. 名詞述語文が体言を修飾する場合において、連体形語尾と同等の機能を担う。である。という。
   • この案に反対の人。
   • 後部が円形の墳墓。
   • 話し方がゆっくりの老人。
   • バスからお降りの際は、お忘れものにご注意ください。
   1. 述部の動詞、形容詞または動詞接尾辞のするを省略した名詞述語文（いわゆる「うなぎ文」）が体言を修飾する場合において、連体形語尾と同等の機能を担う。
      • 「コーヒーのお客様、コーヒーをご注文のお客様」
      • 明日から大阪へ出張の予定だ。
      • 黒マスクの学生

派生語

• んぼう
• んち

終助詞1

強調用法から「だ」または「か」を省略したものに由来。

1. （下降調の発音で）軽い断定
   • 私、この字読めないの。
   • ふうん、そうだったのね。
2. （上昇調の発音で）疑問
   • 何を言ってるの？
3. （強いイントネーションをおいて）命令
   • つべこべ言わないの！
4. 強調的な断定（この場合の「の」は、「だ」や「か」の省略ではなく他用法からの類推によるものと思われる）
   • そこにあるじゃないの。
5. 軽い慨嘆（「の」を高く発音する。この場合の「の」も、「だ」や「か」の省略ではなく他用法からの類推によるものと思われる）
   • へんなの。つまんないの。

終助詞2

1. （西日本方言）詠嘆や念押しなどを表す。のう。な。ね。
   • そろそろ出かけようかの。

翻訳

所有

• 英語: of ^(en), 's ^(en)
• 中国語: 的 ^(zh) (de), 之 ^(zh) (zhī)
• 朝鮮語: 의 ^(ko) (ui)
• フランス語: de ^(fr)

体言にする

• 英語: what ^(en)
• 朝鮮語: 것 ^(ko) (geot), 거 ^(ko) (geo)
• フランス語: ce que ^(fr), ce qui ^(fr)

接頭辞 ：野

1. 野生の。
2. 粗野な。

接尾辞：幅・布

1. 布の幅を数える単位。一幅（ひとの）は、鯨尺で8寸（約30センチ）から1尺（約38センチ）。

接尾辞

1. ～のもの。
   • 僕のが見つからない。
   • アルミのは軽い。
   • あの店のは安くてうまい。
2. （口語）のほう。比較を示す。
   • これのがおいしい。
3. （古）氏のあとにつけ名とつなぐ小辞。
   • 小野小町（おののこまち）
4. （古）氏や屋号などにつけ呼びかけに用いる。
   • 銭形の。三ノ輪の。

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中国語

香港における使用例;菓子のフランチャイズチェーン『優之良品』

発音

• ピンイン: de, zhī
• 注音符号: ˙ㄉㄜ, ㄓ

助詞

の

1. (de) 中国で俗に「的」の代替表記として用いられる。
2. (zhī) 中国で俗に「之」の代替表記として用いられる。

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文字コード

• Unicode
  • 16進: 306E の
  • 10進: 12398 の