ありげ
日本語
編集形容動詞
編集ありげ【有り気】
- ~がいかにも有りそうだ。直前の格助詞を省いて「~ありげだ」の形でも多用される。
- 1906年、伊藤左千夫「野菊の墓」[1]
- これを聞いてか嫂が母に注意したらしく、或日母は常になくむずかしい顔をして、二人を枕もとへ呼びつけ意味有り気な小言を云うた。
- 1925年、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」[2]
- 私は、彼の自信ありげな議論を聞いている内に、段々私自身の失敗を意識し始めていた。で、云われるままにその書物を受取って、読んで見た。
- 1940年、堀辰雄「晩夏」[3]
- 此処の入江に立っていると、こんもりと茂った木々の間に、いかにも伝説のありげな黒姫山が何か遠いような感じで見えた。
- 1952年、梅崎春生「Sの背中」[4]
- 猿沢はそこでふいに言葉を切り、自分の徳利をちょっと振ってみて、ずるそうににやりと笑いました。なにか魂胆ありげな表情なのです。
- 1906年、伊藤左千夫「野菊の墓」[1]
活用
編集活用と結合例
対義語
編集脚注
編集- ↑ 青空文庫、1999年1月6日公開、2013年7月25日修正(底本:「日本文学全集別巻1 現代名作集」河出書房、1969(昭和44)年)https://www.aozora.gr.jp/cards/000058/files/647_20406.html
- ↑ 青空文庫、2016年1月1日作成(底本:「江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者」光文社文庫、光文社、2004(平成16)年7月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/56650_58209.html
- ↑ 青空文庫、2004年1月24日作成、2013年10月1日修正(底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館、1988(昭和63)年6月1日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4799_14420.html
- ↑ 青空文庫、2016年3月4日作成(底本:「ボロ家の春秋」講談社文芸文庫、講談社、2000(平成12)年1月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001798/files/56772_58761.html