日本語

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語源

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古典日本語あり」 < 日本祖語 *ari

発音

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動詞

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あるる、る】

  1. 存在する。(現在では一般的に「在」の字を当てるが、かな書きが多い。具体的な人や動物については いるおる を用いる。)
    1. 事物が存在する。(所有の意味を含む場合は「有」の字を当てることがある。)
      • 昨日までここにあったのに。
      • これとは異なる視点で解説する本もある
      • この植物は恐竜の時代からある
    2. (場所や所在を表す語を伴い)建物などがその場所に所在する。位置する。
      • 駅から徒歩三分のところにある
      • この市には博物館がある
    3. 抽象化・客観視・類型化された人や動物が存在する。
      • 私には強い味方がある
      • 反対する者もあれば、また賛成する者もあった。
    4. 人や動物が存在する。ながらえる。(古風な言い方)
      • 世に在る限り。
      • 捨てる神あれば拾う神あり
      • 敵は本能寺にあり
      • むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
  2. 有されている。(「有」の字を当てるが、かな書きが多い。)
    1. 事物を(利用できる状態で)所有している。
      • 食材が冷蔵庫に有る
      • 日本語にある言葉に訳す。
      • あと一時間ある
      • 車があるから乗って行きませんか。
      • 手づかみで食べなくてもお箸があるでしょ。
      • 冷やし中華 あります
      • 投票権がある
      • 時間が有り余る
      • 博物館がある市。
      • メニューにあるものの中から選ぶ。
    2. 家族や友人などがいる。
      • 私は姉がある
      • 身寄りがある
    3. ある性質や状態、能力を備えている。(「距離がある」のように、程度が高い意を持つことがある。)
      • 風味がある
      • 熱がある
      • ボリュームがある
      • 名前がある
      • あるものは必ず死あり
      • 影響力がある。人望がある
      • 理解力がある。才能がある
      • 可能性がある
      • 手のひらほどの大きさがある
      • 抜けがある
    4. 要素として内部に持っている。
      • この部屋には窓がある
      • 水かきのある動物。
    5. ある感情・記憶・感覚・考えを持っている。
      • 自信がある
      • 腕に覚えがある
      • 痛みがある
      • お願いがある
      • 理解のある人。
      • そのくらいの気遣いはある
      • これをきっかけに国民の理解が進んでほしいという思いはあります。
    6. すべきことを抱えている。
      • 明日は授業がある
      • 仕事があるから行けない。
      • 奨学金の返済があるため生活に余裕がない。
      • 責任がある
      • 仕事にはやりかたがある
    7. (数量を表す語を受けて)長さや重さなどがそのようである。
      • 目方が30キロほどある
      • 駅まで3キロある
      • この川の長さはどれほどあるか。
  3. (「にある」の形で)ある状態・地位に置かれている。(「在」の字を当てるが、かな書きが多い。)
    1. ある状態に置かれている。
      • 増加傾向にある
      • 病の床にある
    2. ある地位を占めている。
      • 大臣の職にある
  4. 現象・動作が起こる。
    1. 物事が行われる。
      • 不正があった。
      • 授業があった。
      • 電話があった。
    2. 催事や放送などが実施される。実施予定である。
      • 4月は統一地方選挙がある
      • 好きなドラマがあるから見たいの。
    3. ある特別な事柄が起こる。
      • 地震があった。
      • 二度あることは三度ある
      • 万一のことがあったらどうするか。
  5. 時間がたつ。
    • ややあって電話があった。
  6. そのように書いてある。記されている。読める。
    • 記録にある
    • 法律にある
    • 明治初年建立とある
  7. 可能性が残る。ありうる。(「可能性」を省略した言い方と解釈することもできる。)
    • 誰かが勝手に捨てたのか、それはあるな。
    • 観光客激減で経営が悪化したというのは間違いなくある
  8. ありふれている。ざらにある。(口語)
    • そういうことってあるよね。
    • あるある」と思わせる。
  9. 理由となる。(口語)
    • 紅葉が美しいこともあって人気の観光地となっている。
  10. (「ことがある」「場合がある」などの形で)状況により、その事態が起こる意を表す。
    • 予定は変更になることがあります。
  11. (過去の文脈で「ことがある」「経験がある」などの形で)過去の経験を表す。
    • この人、見たことある
  12. (「とあって」の形で)なので。
    • 久しぶりの再会とあって心が弾んだ。
    • 休日とあって人が多い。
  13. (「とあっては」、「とあれば」の形で)そういうことであれば。なら。
    • 社長直々の依頼とあっては無下にできない。
  14. (「にあって」の形で)おいて。
    • 現代にあっては重要性が増している。
  15. (「にある」の形で)によって決まる、帰着するという意を表す。
  16. (「だけのことはある」「だけあって」の形で)期待されるとおりだ。
  17. (「つつある」の形で)実現しようとしている、または継続中であるという意を表す。
  18. (「ともあろう人が」などの形で)そのような立場の人がという意を表す。

活用

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用法

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  • 現代では、「ある」の否定に「*あらない」は使われない。形容詞の「ない」を用いる。ただし否定の強調表現として「ありはしない」「ありはせぬ」を用いることはでき、これは後述の方言とも関連する。文語では「あらず」となる。
  • 丁寧な否定は「ありません」または「ないです」、その過去の形は「ありませんでした」または「なかったです」となるが、いずれも後者は口語的。
  • 方言においては、近畿方言の「あらへん」のように「ある」を否定の形で使う地域が現代でもある。

関連語

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翻訳

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補助動詞

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(V シテある)行為 (V) が行われ、行為前と行為後で何らかの変化が生じ、結果として何らかのもの、または何らかの状態が存在する。

(ここで「変化」とは、移動生起消滅その他の状態の変化、処置完了効果の獲得、目標の達成などを含む。)

  1. (N ガ V シテある:N は通常動詞 V のヲ格語となる名詞)行為 (V) の結果として、もの (N) が何らかの状態で存在する。
    1. (N1 ニ N2 ガ V シテある)具体物 (N2) が場所 (N1) に設置作成 (V) の結果として存在する。
      • 机の上にかばんが置いてある
      • 黒板に座席表が書いてある
    2. (N ガ V シテある)ものの状態を変化させる行為 (V) を受けたもの (N) が、その結果の状態で存在する。
      • 前庭の雑草がすっかり抜いてあった
      • 机の落書きが綺麗に消してある
  2. (N ハ V シテある)
    1. (N ハ V シテある:N は通常動詞 V のヲ格語となる名詞)処置の対象 (N) について、処置 (V) が完了した状態である。
      • 買って来たビールは冷蔵庫に冷やしてあります
      • 配布しておいた資料は読んでありますか?
    2. (N ハ… V シテある:N は通常動詞 V の主語となる名詞)行為者 (N) は、処置 (V) を完了して目的を達成し、何らかの効果を得た状態である。
      • 君は配布資料をきちんと読んであるかい?。
      • 僕は今日の夜に備えてしっかり寝てあります
  3. (N1 ガ N2 ヲ V シテアル)行為者 (N1) が対象 (N2) に行為 (V) を行った結果の状態が存在する。
    • 庭の草にカマキリが卵を産んであるのを発見した。
    • 奈緒美が研究室に傘を置いてある。あれを拝借しよう。

関連語

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連体詞

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ある(る)】

  1. 何でもいいからひとつの
    • ある人にゴミ捨て場に捨ててあったと聞いてきた。

古典日本語

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動詞:生る

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あるる】

  1. 生まれる。

活用

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あ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ

動詞:荒る

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あるる】

  1. 荒れる。

活用

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あ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ

発音

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三拍動詞一類(?)

動詞:離る

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あるる、る】

  1. 離ればなれになる。

活用

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あ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ

動詞:有る、在る

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あるる、る】[要出典]

  1. あられる。[要出典]
  2. 考えられる。[要出典]
  3. 世の中にあることができる。生活していくことができる。生き長らえられる。[要出典]
  4. あることができる。あれる。[要出典]
  5. あることが可能である。[要出典]
  6. (の)かも[要出典]
  7. おそらくはあり。[要出典]
  8. ある可能性がある。可能性として考えられる。[要出典]
  9. 可能になる。[要出典]

活用

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あ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ

[要出典]

語源

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」の短縮形は、子音語幹を持つ動詞で発生言語現象あれば四段やラ変格が下二段活用動詞を度に格下げされる時は、自発動詞又は受身動詞又は可能動詞の生成であられて、現代日本語の五段活用では「《未然形れる」「《已然形」又は一段活用では「《連体形ことできる」「《未然形られる」の当時相当です。[要出典]

動詞:有る、在る

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あるる、る】

  1. 「あり」の連体形。