日本語

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慣用句

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さばを(異綴:鯖を読む、サバを読む)

  1. 自分の利益を増やすために、商品などの数量ごまかして伝えること。

語源

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語源は諸説あるが、魚屋がたくさんのをまとめて売るときに、(わざと)数え間違って実数より多く言いがちであることから来たものとする説が有力[1][2][3]

魚市場を意味する「五十集いさば」に由来し、市場で小魚を早口で数えることを「五十集読(いさばよみ)」と言っていたのが元であったとの説もある[4][2][3]

折口信夫は魚の鯖の説を否定し、仏教用語の「産飯さば」(そなえものとして盛った飯)から来ているとしている[5]。この説では、「さば」の一部が施しとて撒かれ餓鬼鳥獣などに与えられるさまから、つまみ食いのことを「さばよみ」と呼ぶようになったとする[3]

寿司屋が客に寿司を出すとき少量の飯(これを仏教のさばになぞらえた)を飯台の裏につけて数の記録とし後で勘定する行為を「さばを読む」と呼んだのを語源とする説もある[2]

さばよみ」の項目も参照。

用法

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自分の年齢をごまかすことを指して使うことが多い[2]

類義語

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関連語

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参考文献

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  1. 新井正三郎『現代語新辞典』(1930年)、49ページ
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 NHKアナウンス室編『「サバを読む」の「サバ」の正体』(2014年)、222・223ページ
  3. 3.0 3.1 3.2 太田静行「さば(鯖)」『調理科学』 Vol. 15 (1982) No. 3 p. 175-178
  4. 日国ことばクイズ連載・日本語塾 第92回 問題460(2004年)
  5. 折口信夫『若水の話』(1929年)