そぞろ【漫ろ】
- 心が落ち着かないさま。
- 彼は自分も赤くなりながら、しかし非常な満足を以て、紅の様に染まった彼女の美しい耳たぶを、気もそぞろに眺めたことです。(江戸川乱歩『算盤が恋を語る話』1925年)
- 明確な理由が無いさま。
- 春の一夜、日光の下に七つの星を頂いて森をさすらう時、キーツの胸には悪に満ちたる現世に対して激烈なる憎悪の念が起こる。やがて古えの憂いなき森の人がそぞろに恋しくなる。(和辻哲郎『霊的本能主義』1907年)
- むやみやたら。
- 突然。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | そぞろだろう | 未然形 + う |
過去・完了 | そぞろだった | 連用形 + た |
否定形 | そぞろでない | 連用形 + ない |
自動詞化 | そぞろになる | 連用形 + なる |
言い切り | そぞろだ | 終止形のみ |
名詞化 | そぞろなこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | そぞろならば | 仮定形 + ば |
様態 | そぞろそうだ | 語幹 + そうだ |