古典日本語「にはか」
にわか【俄・憵(か)】
- 物事が急に起こるさま。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
にわかだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
にわかだった |
連用形 + た
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否定形 |
にわかでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
にわかになる |
連用形 + なる
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言い切り |
にわかだ |
終止形のみ
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名詞化 |
にわかなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
にわかならば |
仮定形 + ば
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様態 |
にわかそうだ |
語幹 + そうだ
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- (東京式) にわか [níꜜwàkà] (頭高型 – [1])
- IPA(?): [ɲ̟iɰᵝa̠ka̠]
にわか【俄、仁輪加】
- (「にわか」な思い付きから)即興の演芸。仮装・軽口・歌舞・狂言など種々雑多であり、その演じる場所も流し俄といって街頭を流すもの、あるいは舞台・屋体などを用いるものがある。享保・元文年間頃に、京阪地方の祭礼の余興としての素人芸から起ったもので、これが幇間芸から専門の俄師の演芸となり、江戸末期から明治へかけて歌舞伎芝居めいた寄席芸となった。俄の種類はその趣向によって見立俄・もじり俄・ロ合俄・物まね俄・拍子違いの俄・あぶら俄・なえこ俄・出たらめ俄・配り物俄などあり、その地方色によって大阪俄・吉原俄・博多俄などがある。
- (「にわかファン」の略)興味を持ちはじめたばかりの人。