日本語 編集

名詞 編集

 (いそう)

  1. (物理学)波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量
  2. (物理学、化学の旧用語)化学的組成や物理的状態が基本的に同一である物質の形態。現代ではという。
  3. (言語学)同一の言語体系において、使用局面が異なることにより区別・構成される特定の下位体系。女性語符牒など。言語使用域レジスタージャンル
  4. (数学)連続性、連結性、収束などの概念定義するために集合導入される数理的構造。ある集合に与えられる開集合あるいは
  5. 或る世界社会での位置
    • 戦争は社会秩序の或る特殊の象面や位相であって、社会秩序以外のものではない。(戸坂潤「戦争ジャーナリスト論」)〔1937年〕[1]
    • それから、あえて言えば行政組織、機構の柔軟化、現代化、あるいは国と地方の間の機能分担等々、あるいは国と民間、国と個人とさまざまな位相が乱れていますね。(秦豊、第84回参議院国会内閣委員会)〔1978年〕[2]
    • しかし、これは市場の話でありますので、意識してどの角度でそうした証券化をしていくのかということは、またちょっと位相の異なる問題だというふうに思っています。(太田昭宏、第183回衆議院国会国土交通委員会)〔2013年〕[3]

語源 編集

  • 物理学用語"phase"の訳語として案出された語。
  • 言語学は、言語学者菊沢季生が語義2の翻訳語を適用したもの。
  • 数学は、topologyの訳語。

用法 編集

  • 語義4:位相を定義することを「位相を導入する」「位相が導入される」、また「位相を入れる」「位相が入る」などと言い表す。

翻訳 編集

語義1

語義2

語義3

語義4


編集

  1. 青空文庫(2012年8月24日作成)(底本:「戸坂潤全集 第五巻」勁草書房、1968年12月10日第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000281/files/55351_48549.html 2019年3月2日参照。
  2. 「第84回参議院国会 内閣委員会 第15号(昭和53年6月1日)」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/084/1020/08406011020015c.html 2019年3月2日参照。
  3. 「第183回衆議院国会 国土交通委員会 第13号(平成25年5月22日)」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/183/0099/18305220099013a.html 2019年3月2日参照。