利用者:Mtodo/二重目的語をとる他動詞の自動詞変換について
他動詞構文における「ヲ格」の語を主格として、助動詞等を交えないで、同じ状況を表す文を構成できるとき、他動詞-自動詞の関係と言える。
- その評価が票を割る。
- =その評価で票が割れる。
「おしえる」「おそわる」は、「ヲ格」を主格として助動詞を交えないで同じ状況を表す文を構成できるため、他動詞-自動詞の関係と言える。
- →ソモソモ、ココガマチガッテイルノカ?
- ドウモ、「オシエル」「オソワル」は特殊らしい。論文
- 山田先生が花子さんを教える。
- =花子さんが山田先生に教わる。
ただし、「おそわる」は「ヲ格」を受けられるので他動詞。
- 花子さんがピアノを教わる。
「教える」は、二重目的語構文を構成しうる(cf.二重他動詞 ditransitive verb 参考)。
- 統語的:「ニ格」と「ヲ格」を持つ
- 意味的:それぞれが recipient と theme に対応している
- 山田先生が花子さんにピアノを教える。
これは、各々「ヲ格」単目的語他動詞構文の文に分解でき、「ニ格」を「ヲ格」に変えることができる。 (仮に二重目的語構文において「ヲ格」となるものを直接目的語 (T: theme) 、「ニ格」となるものを間接目的語 (R: recipient) とする。)
- 山田先生が花子さんを教える。
- 山田先生がピアノを教える。
ところが、この文が共に自動詞対応できるわけではない。
- ◯山田先生に花子さんが教わる。
- cf.◯山田先生に花子さんが教えられる。
- ×山田先生にピアノが教わる。
- cf.△山田先生からピアノが教えられる。
二重目的語構文:「山田先生は花子さんにピアノを教える。」の自動詞対応は(他動詞の構文ではあるが)、
- 山田先生に花子さんがピアノを教わる。
のみで、他動詞-自動詞の関係で「ヲ格」の「ピアノ」を主格をした文に変換できない。
- なお、この文は、「ヲ格」「ニ格」の単目的語他動詞構文の文に分解できるが、「ニ格」は「ヲ格」に変わらず(→トイウコトハ、コレハ目的語デハナイ)、二重目的語構文ではない。
- 花子さんがピアノを教わる。
- 花子さんが山田先生に教わる。
- さらに、「ピアノを」の文は「教える」の文には還元できない(「花子さん」モ「ピアノ」モトモニ「教える」ノ目的・対象ダカラ相互関係ヲ「教える」デ結ブノハ無理トイウコトカ)。
ということで、「間接目的語(二重目的語構文で『二格』をとるもの)又は間接目的語になりうる語に対してのみ自動詞変換できる。」との結論が得られそう。
- 太郎くんが花子さん(R)に荷物(T)を渡す。
- (分解後)
- 太郎くんが花子さんに渡す。
- 太郎くんが荷物を渡す。
- (分解後)
も、
- 統語的:「ニ格」と「ヲ格」を持つ
- 意味的:それぞれが recipient(花子さん)と theme(荷物)に対応している
ので、二重目的語構文といえそうだが、この場合、
- 太郎くんから花子さんに荷物が渡る。
とは言える、即ち、直接目的語(T)を主格に自動詞変換できるが、「花子さん」を主語とする文には変換できない。分解後、「花子さんに」は「花子さんを」とならないからだが、どこが違っているのか。
- わたしがクローク(R)にカバン(T)を預ける。
- 「あずかる」を使うと
- (わたしから)クロークがカバンをあずかる。
- 間接目的語(R)を主格に自動詞変換できるが、直接目的語(T)を主格にはできない。→「おしえる」「おそわる」パターン
- (わたしから)クロークがカバンをあずかる。
- 「あずかる」を使うと
- 太郎くんが花子さん(R)にメッセージ(T)を伝える。
- 「つたわる」を使うと
- (太郎くんから)花子さん(R)にメッセージ(T)が伝わる。
- 直接目的語(T)を主格に自動詞変換できるが、間接目的語(R)を主格にはできない。→「わたす」「わたる」パターン
- (太郎くんから)花子さん(R)にメッセージ(T)が伝わる。
- 「つたわる」を使うと