日本語

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この単語の漢字
やく
第三学年
ふ > ぶ
第四学年
そく
第一学年
音読み

発音

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名詞

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不足 (やくぶそく)

  1. 役柄がそれを演じる役者の力量を下回ること。また、役者がそれに不満を感じること。
    • くじ次第にして、役不足(ヤクブソク)をいひっこなしだよ。(滑稽本『八笑人』、1820-49)
  2. 1. より派生して、与えられた役職役割が当人の能力からすれば軽すぎること。
    • その時の恭順の話で、彼はあの田中不二麿が陰ながら自分のために心配していてくれたことを知った。飛騨水無神社の宮司に半蔵を推薦する話の出ているということをも知った。これはすべて不二麿が斡旋によるという。
    恭順は言った。
    「どうです、青山君、君も役不足かもしれないが、一つ飛騨の山の中へ出かけて行くことにしては。」
    どうして役不足どころではない。それこそ半蔵にとっては、願ったりかなったりの話のように聞こえた。(島崎藤村夜明け前』)〔1929年-1935年〕

用法

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  • 役目に対して、その人の能力が足りないことという逆の意味で用いることがあるが「力不足」と混用した誤用。著名な文学作品にも見られるので注意。基本的に人を主語にとる表現は誤用。
    (誤用の例)
    果然下男とおぼしき若いやっこが飛び出してきて武者ぶりつこうとしたのを、相手になるような名人ではない。
    「おまえなんざ役不足[2]。用のすむまで、ゆっくり涼んでいろい」
    ダッと、あっさり草香の当て身をかまして寝かしておくと、声をたよりに奥座敷を目ざしました。(佐々木味津三右門捕物帖 子持ちすずり』)

脚注

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  1. 大辞林松村明 編、三省堂、2019年、第4版。 ISBN 4-385-13906-7
  2. ここでは、「やっこ」を主語と解して、誤用と判断した。もし、「おまえなんざ(あまりに小者で、それを相手にするようでは自分には)役不足だ」という意味で用いているのであれば、語義どおりの用法である。