抗する

日本語

動詞

抗する (こうする)

1. (自動詞, 文章語) 手向かう。歯向かう。
   • 1947年、宮本百合子「明日の知性」

     エリカ・マンの各国巡業、エヴの戦時中の旅行。それらはどれもすべて、民主主義と、平和と、民族自立のための旅行であった。侵略に抗する世界の善意としての旅行者であった。

   • 1950年、坂口安吾「我が人生観」

     この文章の要点を飜訳すると、若い者が今の社会に夢をもっても、社会の方が余りに物質的であるから、ロマンチックな夢はくずれ、リアリスチックにならざるを得ない。時代に抗してもはかない努力で徒労である。

活用

活用と結合例

抗-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
抗	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	抗しない	未然形 + ない
否定(古風)	抗せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	抗される	未然形 + れる
丁寧	抗します	連用形 + ます
過去・完了・状態	抗した	連用形 + た
言い切り	抗する	終止形のみ
名詞化	抗すること	連体形 + こと
仮定条件	抗すれば	仮定形 + ば
命令	抗しろ 抗せよ	命令形のみ