箇 条(かじょう)
- それぞれの内容ごとに分けられ、並べて表わされたものの内の一つ。
- とかく術者は、業を自得し、その名が世間に認められ、慕い寄る門下も、多くなればなる程、最初の一念を忘却し、己が現世の勢力を、押し広め、流派を盛んにして、我慾を張らんとし、秘伝の極意のと、事々しく、つまらぬ箇条を書き並べて、痴者を威そうとするものだ[……](三上於菟吉「雪之丞変化」)〔1934年〕[1]
- 革命軍は、兵士たちにききはじめました。彼等を殴ったことはないか。無理な懲罰を加えたことはないか。支給品を着服したことはないか。――彼等の質問は非常に精密で厳格でした。私の額から汗がしたたりました。幸い、私は、質問される箇条のどれもしていません。(宮本百合子「道標」)〔1947年〕[2]
箇 条(かじょう)
- 条項や項目、分けられた事柄の数を表す助数詞。
- しかし物語の数だけは百箇条を揃えなければならないというので、くじ引きの上で一人が三つ四つの話を受持つことになった。(岡本綺堂「百物語」)〔1926年〕[3]
- いよいよ起請文の前書が読み上げられた。これは仇討の宣言綱領といったようなもので、次の四箇条からなりたっていた。(森田草平「四十八人目」)〔1929年〕[4]