日本語 編集

動詞 編集

する (しょうする)

  1. (他動詞) 賞賛する。
    • 1872年、福沢諭吉「学問のすすめ」[1]
      謹慎勉強は人類の常なり、これを賞するに足らず、人生の約束は別にまた高きものなかるべからず。
    • 1951年、坂口安吾「明治開化 安吾捕物」[2]
      島田幾之進はベク助の熱心な仕事ぶりと見事な出来を賞して、多額の金品を与えた。
  2. (他動詞) 観賞する。
    • 1906年、大杉栄「獄中消息」[3]
      毎朝運動場に出ると、高い壁を越えて向うに、今は真っ盛りの桃の木を一株見ることができます。なおその外にも、病監の前に数株の桜がありますから、近いうちにはこの花をも賞することがあるのでしょう。
    • 1933年、木暮理太郎「初旅の大菩薩連嶺」[4]
      降りみ降らずみの雨の中を、まだ少しは見るに足る紅葉を賞しながら、桑西に着いたのは午後四時十分であった。

活用 編集

賞-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 賞しない 未然形 + ない
否定 賞せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
賞される 未然形 + れる
丁寧 賞します 連用形 + ます
過去・完了・状態 賞した 連用形 +
言い切り 賞する 終止形のみ
名詞化 賞すること 連体形 + こと
仮定条件 賞すれば 仮定形 +
命令 賞せよ
賞しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫(2004年3月29日作成。底本:「日本の名著 33 福沢諭吉」中公バックス、中央公論社、1984(昭和59)年7月20日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/47061_29420.html
  2. 青空文庫(2006年5月23日作成、2016年3月31日修正。底本:「坂口安吾全集 10」筑摩書房、1998(平成10)年11月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43216_23308.html
  3. 青空文庫(2004年3月29日作成。底本:「大杉栄 選 日本脱出記・獄中記」現代思潮社、1970(昭和45)年7月10日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000169/files/4962_15425.html
  4. 青空文庫(2015年1月28日作成。底本:「山の憶い出 下」平凡社ライブラリー、平凡社、1999(平成11)年7月15日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001373/files/56554_55624.html