日本語

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動詞

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する (めいする)

  1. (他動詞, 文章語) 文字を〕の表面に刻む
    • 1938年、野上豊一郎「ヴェルダン」[1]
      ヴェルダンで戦死した兵士たちの共同墓地へ行く途中、大きな瀕死の獅子の彫像を載せた石の台を左に見た。百三十師建設記念碑と銘してあった。
    • 1946年、横光利一「夜の靴」[2]
      「汝自身を知れ。」とデルフォイの神殿に銘された文字が哲学の発生なら、私らのここの山山には何があるのか。「人間であるということは何を意味するのか。」
  2. (他動詞, 文章語) 出来事感情を〕ずっと忘れないほどに深く刻む
    • 1923年、宮本百合子「光のない朝」[3]
      線香の匂う物淋しい家に、おもんは全く独りぼっちになった。父親はいても、互に生き写しな気弱さや生活上の無気力で、どちらも頼りにはならなかった。その上、おもんの稚い心には、人生の恐ろしさが烙印のように銘された。
    • 1935年、濱田耕作「石鏃の思出話」[4]
      その時の嬉しさ。千葉君の好意を胸に銘して、いつも鼻の油で磨きながら愛玩して居つた。

活用

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銘-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 銘しない 未然形 + ない
否定 銘せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
銘される 未然形 + れる
丁寧 銘します 連用形 + ます
過去・完了・状態 銘した 連用形 +
言い切り 銘する 終止形のみ
名詞化 銘すること 連体形 + こと
仮定条件 銘すれば 仮定形 +
命令 銘せよ
銘しろ
命令形のみ

関連語

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  1. 青空文庫、2007年8月9日作成(底本:「世界紀行文学全集 第二巻 フランス編Ⅱ」修道社、1959(昭和34)年2月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000963/files/43093_27836.html
  2. 青空文庫、2003年6月12日作成、2016年2月7日修正(底本:「夜の靴・微笑」講談社文芸文庫、講談社、1995(平成7)年1月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000168/files/3511_11037.html
  3. 青空文庫、2002年1月1日公開(底本:「宮本百合子全集 第二巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2446_10267.html
  4. 青空文庫、2004年5月18日作成、2012年5月17日修正(底本:「青陵随筆」座右寶刊行會、1947(昭和22)年11月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001054/files/42154_15666.html